ITエンジニアのイライラ改善をサポートしている感情カウンセラーの山田純平です。
ITエンジニアは個人で設計や開発を行いますが、プロジェクト単位でチームを組んで仕事をします。
なので、1つのプロジェクトでは管理者やリーダー、マネージャーがいて、エンジニアがいます。
リーダーは日々、エンジニアへ作業の指示を行って仕事を進めますが、思った通りの結果にならないこともしばしば。
そんな状況でスケジュールがタイトであれば、特にイライラするものです。
今回は指示通りに仕事をしない部下へのイライラ対処法をご紹介します。
指示通りに仕事をしない部下にイライラする原因
期待と現実のギャップ
自分が指示した内容と、部下が出した結果が大きくずれていると、失望やフラストレーションを感じます。
話しを聞いていなかったのかな?という不安や否定感も出やすいですね。
また、プロジェクトの進行に影響があったり、仕事の成果に責任を強く感じている場合、ギャップがストレスを引き起こします。
評価や責任が気になる
チーム全体の成果が自分の評価や責任に直結する場合、部下のミスや指示に従わない行動が、自分に悪影響を及ぼすと感じてしまいます。
また、自分に与えられた仕事に対して責任感が強い場合、それを脅かす事象が起きるとストレスがかかります。
その結果、強いプレッシャーを感じてイライラすることがあります。
相手や状況をコントロールしたい欲求
仕事が計画通りに進まないと、自分が状況をコントロールできていないと感じ、イライラすることがあります。
望まない状況は無意識的に不安を生み出すので、注意が必要ですね。
また、自分のやり方がベストだと考える傾向があると、部下の自由な行動にストレスを感じることが増えます。
部下のスキルや経験不足
部下が指示を正しく理解できない、またはタスクをこなす技術的なスキルが不足している場合、仕事が期待通りに進まずイライラします。
部下の経験が浅いと、自分がサポートする負担が増えるため、イライラやストレスが溜まることがあります。
完璧主義が強い
自分が完璧主義的な考えを持っていると、細かいミスや些細な違いも気になり、許せなくなることがあります。
完璧を求めすぎると、部下に対する不満が大きくなり、感情的に反応しやすくなります。
常に完璧に仕事をこなせる人間はいないので、完璧主義はほどほどにしたいですね。
指示通りに仕事をしない部下にイライラする時の対処法
具体的にやってほしいことを明確にする
指示を出す際に、部下に具体的に何を求めているのかを明確に伝えるようにします。
部下への期待値だけでなく、仕事の目的や重要なポイントを具体的に説明することで、部下の理解度が向上し、作業レベルで期待通りに進む可能性が高まります。
時間がない時は面倒に感じるかもしれませんが、相手が理解できる説明は結果的に効率的だと思います。
コミュニケーションを改善する
部下とのコミュニケーションの頻度を上げて、作業の進捗や困っていることだけでなく、仕事以外の雑談をすることで相手への理解が深まります。
部下が安心ができるオープンな環境を作り、部下が質問しやすい雰囲気を整えることが大切です。
合理的でドライなほうが仕事が進む気がするかもしれませんが、仕事をするのは人間なので、相手の気持ちや性格、特徴を考慮してコミュニケーションを楽しみましょう。
それが結果的に、信頼関係を作り、より良い仕事に繋がります。
部下の視点を理解する
部下が指示通りの結果にならない理由を確認し、彼らの視点を理解しようと努めましょう。
部下との年齢が離れている場合は考え方や言葉の使い方が結構違う場合があります。
技術的な課題やタスクの進め方に疑問を抱えている場合もあるので、部下の立場に立って話を聞くことで、解決策を見つけやすくなります。
ただ、部下を否定するような聞き方をすると相手が心を閉ざしてしまうこともあるので、注意が必要です。
部下のことを尊重して話しを聞きましょう。
完璧を求めすぎない
自分の完璧主義に気づいたら、「多少の違いは許容しても良い」と考えるようにしましょう。
部下が成長していく過程を見守る姿勢を持ち、失敗や遅れも学びの一部だと捉えます。
また、自分の考えややり方が絶対正しい訳ではないと理解し、相手目線や他の視点を持つようするとさらに良いです。
そうすることで、ストレスが減り、部下との信頼関係を築きやすくなります。
具体的なフィードバックを提供する
抽象的な批判や指摘ではなく、具体的に何を改善したらいいかを伝えます。
「この部分はこう改善して欲しい」と明確に伝えることで、部下も作業レベルであることが分かりやすくなります。
フィードバックが具体的であれば、部下が改善点を理解しやすくなり、同じミスが繰り返されることを減らせます。
仕事の進め方を柔軟に考える
部下のスキルや考え方を活かすために、仕事の進め方を少し柔軟に考えてみるのも有効です。
自分が良いと思う方法だけでなく、部下がより効果的に働ける方法を提案し、一緒に最適な解決策を見つけましょう。
また、部下の意見を尊重することで、モチベーションが上がり、より良い結果が生まれやすくなります。
心理的な対処法
完璧主義を手放す
完璧主義が強いと自分の指示した通りに部下が仕事をしないとイライラしやすくなります。
打合せの資料をもっと分かりやすくしたい。議事録のてにおはや体裁にこだわる。など完璧を目指しだしたらきりがないと思います。
結果、気になることが増えてイライラするのが日常になってきます。
だから、思い通りに部下が仕事をしないとイライラしてしまうんですね。
そうならないために、完璧主義を緩めるには、相手の長所も短所も受け入れることが有効です。
完璧ではない相手や結果にOKを出すことで、イライラしにくくなります。
人には向き不向きがあるのが通常なので、自分も相手も常に完璧に仕事をするのは無理ですからね。
私も完璧を目指していた時期がありましたが、やればやるほど自分のダメな部分を知ることになりました。笑
そんな時は、「まぁ、いっか。」「なんとかなるか。」とつぶやいてみてください。
声に出すと、なぜかそんな気になってきます。笑
思っているよりうまくいくことは多いので、もっと楽に生きてみましょう。
相手と適切な距離を取る
指示通りに仕事をしない部下と心理的な距離の取り方を工夫することで、イライラを軽減することができます。
相手の言動に同調しないで、適度に心理的な距離を置くことで、客観的で冷静な対応が可能になります。
心理的な距離感は慣れるまで感覚的に難しい感じがするかもしれませんが、10メートル先の人と話している感じだったり、全く関心のない人とどうでもいいことを話している感覚が近いと思います。
このように、距離の取り方を意識することで、イライラを軽減することができます。
リフレーミングを活用する
指示した通りに仕事をしない部下には、リフレーミングを活用すると効果的です。
リフレーミングとは、物事を別の視点から見直すことで、新たな理解や発見を得る手法です。
まず、自分のペースや先入観を一旦脇に置き、他の視点から見てみましょう。
「自分の指示した通りに仕事をすべき」、「時間を無駄にしてはいけない」というフレームで見ていると、自由な部下にイライラしてしまいます。笑
なので、視点を変えて「相手の結果のほうがいいかも」、「ギャグで指示したことと違うことをしている」というフレームで相手を見てみると、指示通りの結果でなくても許しやすくなります。
このような相手のフレームを変えるリフレーミングは面白い設定、笑える設定にするのが有効です。
また、リフレーミングのトレーニングとしては、いつも「選択肢を3つ考える」ようにしましょう。
ランチはいつもの店!と固定しないで3つ考えてみたり、駅から会社へ行くルートを3つ考えてみるのも効果的です。
日常的に固定化されている行動や思考を緩めるのが目的なので、当たり前の選択ほど他にプラス2つ考えるようにしたいですね。
このように、選択肢を複数考える癖をつけることで、柔軟に物事に対処しやすくなります。
これらの方法を使って、イライラする状況を減らしていきましょう。
イライラを見つめる
イライラなどの感情は感じないと溜まっていきます。困った性質ですね、、笑
だから、イライラを抑圧しているとイライラが激しくなったり、自分でもびっくりするくらいキレてしまうこともあります。
逆に言えば、感じることで解消されていくとも言えます。
とはいえ、イライラなどの感情は感じたくないものですよね。
一般的に子供の頃から感情を感じることは慣れていないので、少しずつトレーニングするのがオススメです。
トレーニングをしたらその分だけイライラに対する耐性が上がり、感情に振り回されにくくなります。
イライラに対する筋力がアップするイメージですね。
筋力が上がるとイライラに振り回されにくくなるので、仕事のストレスも減り、楽しく仕事をしやすくなりますよ。
方法は以下の動画でも紹介していますので、ご覧いただければと思います。
過去の経験を見つめる
子供の頃に親の言ったことをうまくできなくて、怒られたり注意された経験は誰にでもあると思います。
小さなときは理解も早くないし、身体も思った通りに動かないことが普通ですよね。
幼少期の傷ついた経験が心の傷として潜在意識に残り、インナーチャイルドと呼ばれています。
インナーチャイルドは1度傷ついたらずっと潜在意識に残り続ける性質があります。ほんとに困ったものです。
このインナーチャイルドの蓄積は18歳頃まで続き、それが大人になっても影響を与えます。
結果、「指示した通りに結果を出さないといけない」という固定観念を植え付けることになります。
固定観念は自分の中の当たり前なので、意識もしないことがいいですね。
だから、部下が指示した通りの結果を出さないと、勝手に固定観念が反応して、イライラしてしまいます。
このメカニズムを知らないと、固定観念に振り回される人生になっていきます。
今の自分の判断や選択、思考パターンは子供の頃のインナーチャイルドが原因で出来ているといっても過言ではありません。
なので、「~するべき、~してはいけない。」という発想が出たときには、どんな固定観念やその原因のインナーチャイルドがあるんだろう?と意識を向けてみてください。
「親から言った通りにしなさい!と教育されただけか。」と気づければ、部下にもイライラしないで受け入れやすくなるイメージです。
イライラしがちな人も改善の余地はまだまだたくさんあるので、人生をより楽しく幸せなものにしていきましょう。
メールマガジンではインナーチャイルドについても配信していますので、ご興味のある方はご購読いただけると嬉しいです。
まとめ
自分が指示した通りに結果がでないのは心地よいものではありませんが、部下も意図的にそうしている訳ではないでしょう。
お互いの関係性やコミュニケーションの密度で、部下の理解が変わってくるものです。
仕事の話だけでなく、相手を尊重したコミュニケーションして、相手を理解するマインドが大事ですね。
また、自分の完璧主義や思い通りにコントロールしたい欲求もイライラに大きく影響しています。
今回紹介した方法を実践することでイライラや感情に振り回されることを減らしましょう。
感情が安定すると、仕事のストレスが減って、毎日を楽しめるようになっていきます。
それほど感情やイライラの影響は多いものです。
感情の安定やコントロールは難しいと思われがちですが、原因を特定して適切に対応することで改善が可能です。
感情に振り回された日常を抜け出し、仕事や人生を楽しみましょう。^_^