すみません口癖とイライラが消える!感情の本質と改善する3つのステップ

    ITエンジニアのイライラ改善をサポートしている感情カウンセラーの山田純平です。

    「部下のミスにイライラしてしまって、また感情的な言葉を投げつけてしまった…」

    「すみませんばかり言ってるけど、本当の意図が伝わっているのだろうか…」

    このような悩みを抱えているIT技術者は少なくありません。

    実は、イライラや謝罪癖は自分を守るための大切なサインなのです。

    この感情の仕組みを理解し、適切に向き合うことで、必ず改善の道は開けます。

    この記事では、職場でのイライラや感情コントロールに悩む方に向けて、

    ・イライラと謝罪癖の根本的な原因
    ・感情と向き合うための実践的な方法
    ・職場ですぐに活用できる具体的なテクニック

    上記について、元ITエンジニアエンジニアで現在は感情カウンセラーの経験を交えながら紹介しています。

    感情をコントロールできるようになれば、仕事もプライベートも充実した毎日を過ごせるはずです。

    ぜひ参考にしてください。

    この記事の目次

    「すみません」が口癖になる深層心理とは

    過剰な謝罪の習慣は、実は自己防衛の一つの表れです。

    これは特に、仕事での評価や人間関係に敏感な人によく見られる反応パターンです。

    以下では、職場での過剰な謝罪行動の背景にある心理メカニズムと、その影響について詳しく解説していきます。

    なぜ仕事中に過剰な謝罪をしてしまうのか

    仕事中の過剰な謝罪は、評価への不安や失敗への過度な恐れから生まれる防衛反応です。

    「ミスを指摘される前に先に謝っておこう」
    「謝っておけば批判を避けられるかもしれない」

    このような思考が無意識のうちに働き、謝罪が習慣化してしまうのです。

    特にITエンジニアの場合、以下のような要因が重なって謝罪が多くなりやすい傾向があります。

    完璧主義的な思考
    設計やプログラミングでは細かなミスも許されないため、些細な不備にも必要以上に反応してしまいます。

    評価への過剰反応
    技術力を常に問われる環境で、能力不足を指摘されることへの不安が強くなります。

    コミュニケーションの不安
    論理的思考に長けている分、感情的なやり取りに不慣れで反応しやすい傾向があります。

    このような心理状態が重なると、「すみません」が無意識の防衛手段として定着してしまうのです。

    自分を守るための無意識の防衛反応

    過剰な謝罪は、実は傷つきたくない自分を守るための無意識の防衛反応なのです。

    これは、幼少期からの経験や価値観が大きく影響している可能性があります。

    「完璧でなければならない」
    「失敗したら怒られる」
    「嫌われたくない」

    このような思い込みが、防衛反応としての謝罪を引き起こしているのです。

    具体的には、以下のような心理メカニズムが働いています。

    先制防衛
    批判される前に謝ることで、予想される否定的な反応を和らげようとします。これは相手からの厳しい評価を恐れる気持ちの表れです。

    関係性の維持
    謝罪することで相手の怒りや不満を抑え、良好な関係を保とうとします。対立を避けたい気持ちの現れとも言えます。

    自己防衛
    謝罪を先回りすることで、自分の価値が否定されることを防ごうとします。自己肯定感の低さが影響している場合も多いのです。

    このような防衛反応は、短期的には心の安定をもたらすかもしれません。

    しかし、長期的には自己肯定感の低下や、本来の自分らしさを失うことにつながる可能性があります。

    職場での謝罪癖が及ぼす影響

    職場での過剰な謝罪は、予想以上に広範な影響を及ぼす可能性があります。

    特にプロジェクトリーダーの立場では、チーム全体のパフォーマンスにも影響を与えかねません。

    具体的な影響として、以下のような問題が挙げられます。

    リーダーシップの低下
    必要以上の謝罪は、相手からの信頼や尊敬を損なう可能性があります。特に重要な判断を求められる場面での過剰な謝罪は、リーダーとしての威厳を失うことにつながります。

    コミュニケーションの歪み
    常に謝罪を前提としたコミュニケーションは、健全な議論や建設的な意見交換を妨げる要因となります。

    業務効率の低下
    些細なことでも謝罪してしまうため、必要な報告や相談が遅れがちになり、結果として業務の停滞を招くことがあります。

    このような悪影響は、個人の成長機会の損失にもつながりかねません。

    イライラと向き合うための3つのステップ

    イライラする感情は、適切な方法で向き合うことで必ず改善できます。

    特にITエンジニアの方は論理的思考が得意な分、感情面での対処に苦手意識を持ちやすいものです。

    ここでは、イライラと上手に付き合うための3つの具体的なステップについて、実践的な方法を解説していきます。

    感情日記で自分の状態を客観視する

    感情日記は、イライラの原因と対処法を見つけるための効果的なツールです。

    「何でこんなことでイライラするんだろう…」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

    そんな時は感情日記をつけることで、以下のような気づきが得られます。

    イライラの強度を数値化
    その日のイライラを10段階で評価し、記録します。数値化することで感情の変化が把握しやすくなります。

    状況の詳細な記録
    いつ、どこで、誰と、どんな出来事でイライラしたのかを具体的に書き留めます。これにより、イライラが生じやすい状況のパターンが見えてきます。

    身体症状の観察
    頭痛や肩こり、胃の不快感など、イライラに伴う身体の変化も記録します。心と体の関連性を理解することで、早めの対処が可能になります。

    感情日記を1ヶ月継続すると、感情コントロールの改善を実感できると思います。

    まずは1週間、簡単なメモ程度から始めてみることをお勧めします。

    毎日5分の自己対話を習慣にする

    イライラの根本的な原因を理解するには、定期的な自己対話が効果的です。

    毎日5分、自分の感情と向き合う時間を持つことで、イライラの本質が見えてきます。

    「なぜ、この状況でイライラするのだろう?」
    「本当は、どうしたいと思っているのだろう?」

    このような問いかけを自分に投げかけてみましょう。

    具体的な自己対話の方法として、以下のステップが有効です。

    WHYを5回繰り返す
    イライラした出来事について「なぜ?」と5回掘り下げていきます。多くの場合、「認められたい」「評価されたい」という本質的な願いにたどり着きます。

    感情の根源を探る
    表面的な感情の下にある、より深い感情や欲求を探ります。例えば、部下への苛立ちの裏には、自分の指導力への不安が隠れているかもしれません。

    価値観の確認
    イライラする状況が、自分の大切にしている価値観とどう関係しているのか考えます。価値観との不一致が明確になることで、対処方法が見えてくるでしょう。

    感情を「自己防衛のサイン」として受け入れる

    イライラは悪いものではなく、あなたを守るためのサインとして機能しています。

    このような見方の転換により、イライラとの新しい付き合い方が見えてきます。

    「イライラするなんて、自分は未熟だ」
    「もっと冷静にならなければいけない」

    そんな否定的な考えを持っている方も多いかもしれません。

    実は、イライラには以下のような重要な役割があります。

    危険信号としての機能
    心や体に負担がかかっている状態を教えてくれる、大切なアラームの役割を果たしています。早めの対処で、より深刻な問題を防ぐことができます。

    境界線の明確化
    自分の限界や価値観の境界線を示すサインとして機能します。これにより、相手との適切な距離感やバランスを保つことができます。

    変化の必要性
    現状に何らかの改善が必要だということを教えてくれるメッセージとして捉えることができます。

    感情を「情報」として受け止められる人ほど、ストレス耐性が高く、職場での対人関係も良好になりやすいと思います。

    職場での感情コントロール術

    職場での感情コントロールは、具体的な技術として習得できるものです。

    特にITプロジェクトのリーダーは、技術面とマネジメント面の両方でストレスを抱えやすい立場にあります。

    ここでは、職場で実践できる具体的な感情コントロールの方法について、3つの重要な観点から解説していきます。

    上司や先輩との健全な関係づくり

    上司や先輩との良好な関係構築には、適切な距離感とコミュニケーションの取り方が重要です。

    「どこまで本音を話していいのだろう」
    「気軽に相談すると能力不足と思われないだろうか」

    このような不安を抱える方も多いのではないでしょうか。

    健全な関係を築くために、以下のようなアプローチが効果的です。

    定期的な情報共有
    週次や月次のミーティングを活用し、プロジェクトの進捗や課題を共有します。頻度を上げて問題が小さいうちに相談することで、信頼関係が築きやすくなります。

    報告・連絡・相談の明確化
    何をどのタイミングで報告すべきか、基準を明確にします。これにより、コミュニケーションの不安が軽減されます。

    建設的な提案の心がけ
    問題を報告する際は、自分なりの対応案も併せて提示します。これにより、前向きな姿勢が伝わりやすくなり、発展的な議論が生まれやすくなります。

    上司との良好な関係を築けているとストレスも減り、仕事がやりやすくなりますよ。

    ミスを成長の機会に変える考え方

    ミスは避けるべきものではなく、チーム全体の成長機会として捉え直すことが重要です。

    「部下のミスにイライラしてしまう」という悩みを抱えるリーダーは少なくありません。

    しかし、その感情の背景には、以下のような要因が隠れています。

    完璧主義的な思考
    エンジニアとして培ってきた高い品質基準が、かえってチームマネジメントの障害となることがあります。

    時間的プレッシャー
    納期や顧客からの要求に追われる中で、ミスの発生が追加的なストレス要因となっています。

    成長支援への不安
    部下の育成方法に確信が持てず、適切な指導ができているか不安を感じることがあります。

    ミスへの建設的な対応として、以下のアプローチが推奨されます。

    振り返りの機会化
    ミスが発生した際は、個人を責めるのではなく、チーム全体で改善点を話し合います。

    予防措置の検討
    同様のミスを防ぐための仕組みづくりを、チームで考える機会とします。

    自分らしいコミュニケーション方法を見つける

    効果的なコミュニケーションは、自分らしさを活かしながら築いていくことが大切です。

    特にエンジニアからマネージャーへの転換期には、コミュニケーションスタイルの確立に悩むことがあります。

    「理論的な説明が得意な自分が、よく分からない感情面のケアもできるだろうか」
    「マネージャーらしい立ち振る舞いや話し方をしなければならないのだろうか」

    このような不安は、多くのIT技術者が経験するものです。

    自分らしいコミュニケーションを確立するために、以下のポイントに注目してみましょう。

    強みの活用
    論理的思考や問題解決能力といったエンジニアとしての強みを、チームマネジメントにも活かします。

    個性の受容
    完璧なマネージャー像を追求するのではなく、自分の個性を認めた上でのコミュニケーションを心がけます。

    継続的な改善
    一つの方法にこだわらず、チームの反応を見ながら少しずつコミュニケーション方法を調整していきます。

    リーダーの「自然体」なコミュニケーションは、チームのパフォーマンスにポジティブな影響を与えることが確認されています。

    自分らしく自然体でいることも大事ということですね。

    「すみません」が口癖になる時の心理的な対処法

    自分ができている部分に意識を当てる

    人間は出来ていないことやミスや失敗に意識が向いてしまい、自分が出来たことは当たり前に思ってしまいます。

    同じ失敗をくり返さないために、そういう心の仕組になっているのだと思います。

    だから、意識的に自分に対して優しい言葉をかけ、「今日はここまでできた自分を認めよう」であったり、今日1日で自分が出来たことを肯定するセルフトークを行いましょう。

    朝起きて遅刻しないで出社しただけでも出来たことの1つです。

    人生の大半は「出来たこと」で積み上がっていますからね。

    完璧を求めず、当たり前のできたことに目を向けて肯定するようにします。

    そうすることで自己肯定感が高まり、不安やイライラが軽減され、リラックスした気持ちで眠りやすくなります。

    相手と適切な距離を取る

    謝り癖のある人は相手や自分がした言動との距離の取り方を工夫することで、イライラを軽減することができます。

    心理的に必要以上に近づかず、適度な物理的距離を保つことが効果的です。

    相手の言動に同調しないで、適度に心理的な距離を置くことで、客観的で冷静な対応が可能になります。

    心理的な距離感は慣れるまで感覚的に難しい感じがするかもしれませんが、10メートル先の人と話している感じだったり、全く関心のない人と話している感覚が近いと思います。

    このように、心理的な距離の取り方を意識することで、謝り癖やイライラを軽減することができます。

    インナーチャイルドを見つめる

    子供の頃に失敗をして誤った経験は誰にでもあると思います。

    小さなときはうまく出来ないほうが普通ですよね。

    ただ、自分がダメなように感じてしまい、「すみません」という言葉が出てしまいがちです。

    この傷ついた経験が心の傷として潜在意識に残りますが、これはインナーチャイルドと呼ばれています。

    インナーチャイルドは1度傷ついたらずっと潜在意識に残り続ける性質があります。ほんとに困ったものです。

    このインナーチャイルドの蓄積は18歳か20歳頃まで続き、それが大人になっても影響を与えます。

    具体的には自信のないことやミスでも「謝らないといけない」という固定観念を植え付けることになります。

    固定観念は自分の中の当たり前なので、意識もしないことがいいですね。

    だから、反応的に「すみません」と誤ってしまいます。

    このメカニズムを知らないと、固定観念に振り回される人生になっていきます。

    今の自分の判断や選択、思考パターンは子供の頃のインナーチャイルドが原因で出来ているといっても過言ではありません。

    なので、「~するべき、~してはいけない。」という発想が出たときには、どんな固定観念やその原因のインナーチャイルドがあるんだろう?と意識を向けてみてください。

    「ミスした時に親に嫌われないように謝っていただけか。」と気づければ、ゆっくり話す人にもイライラしないで受け入れやすくなりやすいイメージです。

    謝り癖があったりイライラしがちな人も改善の余地はまだまだたくさんあるので、人生をより幸せなものにしていきましょう。

    まとめ

    今回は、職場でのイライラや感情コントロールに悩む方に向けて、

    ・イライラと謝罪癖の深層心理
    ・感情と向き合うための具体的なステップ
    ・職場での実践的な感情コントロール術

    上記について、エンジニアから感情カウンセラーとなった筆者の経験を交えながらお話してきました。

    イライラや謝罪癖は、実は自分を守るための大切なサインです。

    特にITエンジニアの方は、論理的な思考が得意な分、感情面での対処に戸惑いを感じやすいものです。

    これまでの方法を変えることに、不安を感じる方もいるでしょう。

    しかし、あなたがイライラや謝罪癖に悩んでいること自体が、自分をより良く変えたいという成長への意志の表れなのです。

    感情に振り回されない生活は、決して遠い目標ではありません。

    まずは今日から、感情日記をつけることから始めてみませんか?

    きっとあなたらしい、新しい気づきや感情との付き合い方が見つかるはずですよ。

    この記事の目次