ITエンジニアのイライラ改善をサポートしている感情カウンセラーの山田純平です。
仕事でミスや失敗をすると「もやっ!」とした嫌な感覚になることがあると思います。
ちゃんとできない自分がダメな人のように感じたり、「あそこで注意していればよかった!」と後悔したり、反応は様々です。
これらの反応は不快で避けたいものですが、勝手にでてくるので自分ではコントロールが難しいのが現状だと思います。
今回はそんな自分を責めてしまう否定感の対処法をご紹介したいと思います。
ミスや失敗で自分を責める理由
相手の期待に応えたい意識が強い
相手の期待に応えたい想いは誰にでもあると思います。
子供の頃から親や先生、友達に喜んでほしくて頑張った経験はあるのではないでしょうか。
純粋に嬉しいですよね。
その頃の想いが潜在意識に残っているので、自然と相手の期待に応えたくなります。
でも、大人になって仕事をしていると、期待のハードルが高かったり、スケジュールがタイトになることがあり、現実的にはそれほど労力をかけることができず、ミスや失敗をすると自分の首を絞めている感じがしてしまいます。
完璧主義が強い
完璧主義が強いと仕事を期限通りこなし、品質も担保して、相手の期待にも応えるのが当たり前という発想になっていきます。
完璧にできるのが普通という感覚になると、ミスや失敗をするとマイナス評価になってしまいますよね。
一般的にはよく出来ている仕事でも自分の中では満足いかずに、出来なかった所やミスしたことにフォーカスしてしまいます。
ちゃんとできない自分を責めやすく、それが周りの影響だと感じると相手に怒りが出ることもあるので注意したいですね。
ミスや失敗を悪い事と思っている
子供の頃からミスや失敗をして褒められた。という人はほぼいないのではないでしょうか。
親や先生から叱られたり、注意されるのが通常でしょう。
だから、その頃の記憶がずっと残っていて、大人になっても「ミスや失敗=悪い事=怒られる」というイメージが染み付いています。
だから、ミスをしたら悪い事をしてしまった感じがして、自分を責めやすくなります。
過剰に相手の評価を気にする
相手の評価や反応が気にしすぎる人はミスや失敗に敏感になります。
ミスして、「良かったね。」と言われることはないですからね。笑
仕事だと上司や顧客、一緒に仕事をしているメンバーのことが気になって、ミスしないように!失敗しないように仕事をするという人も多いかもしれません。
仕事の目的がずれてしまう要因にもなるので、気をつけたいですね。
自分を責める自己否定はどこからやってくる?
ミスや失敗をした時に自分を責めてしまったり、自己否定をしてしまうことってありますよね。
これは自分で意識してそうしている訳ではなく、勝手に湧き上がってくると思います。
なので、コントロールができずに自己否定の不快な感覚が続いてしまいます。
では、この自己否定的な反応はどこからやってくるのでしょう?
「ミスしたらそりゃ凹むでしょ。」と思いますが、あまり気にしない人もいます。
これは子供の頃に育った環境や状況、親や周りの人の関わり方に影響しています。
親が真面目であればあるだけ、ミスや失敗をしないようにあれこれ注意をしたり、教えてくれます。
この時に「自分はダメなんだと」感じてしまうと心に傷ができます。
幼少期の傷ついた経験は「インナーチャイルド」と呼ばれていて、潜在意識に蓄積していきます。
この小さな傷ついた経験が積み重なって、「ミスや失敗はよくない」という固定観念が生まれてきます。
「ミスしたら傷つくから、避けたい!」という発想が無意識に刻まれている状態ですね。
なので、仕事でちょっとミスをしただけでも、自分を責めてしまい、「やっぱりミスする自分はダメだな。」という固定観念が強化されていきます。
インナーチャイルドが連鎖して大人になっても影響を与えているんですね。
自分を責めてしまったり、自己否定することが多い人はインナーチャイルドが多い可能性があるので、子供時代を振り返ってみると、自分の自己否定ポイントが見つかると思いますよ。
本当は自己肯定100%!
インナーチャイルドの話をしましたが、子供の頃に傷付かなければ、自己肯定が高く生きられるとも言えます。
この世に生まれてきた時は自己肯定100%ということですね!
小さい頃はインナーチャイルドも少なく、知識も少なく言葉もよく分からないので、自分が好きなように行動します。
親は大変なときもありますが、子供からみれば素直で自由な毎日だと思います。
でも、好きに行動していたら親から止められたり、注意されたり、叱られたりして傷つきます。
大好きな親に注意されたら、ダメなことをした感じがしてしまいますよね。
これが心の傷となって潜在意識に蓄積していきます。
成長すると知識や経験が増えていきますが、心の傷も増えていくことになるので、それが影響して自己否定することが増えていきます。
このインナーチャイルドを減らしていくことで、生まれたままの自由で純粋な自己肯定の状態に近づけるとも言えます。
余計な足かせを減らして、仕事や人生をポジティブに楽しみたいですね。
自己肯定を高める方法
出来ていることを書き出す
ミスや失敗を責めることはあっても、自分が今まで出来たことを振り返ることは少ないのではないでしょうか。
でも、当たり前に出来ていることが積み重なって今の人生があります。
・朝、時間通りに仕事に行く。
・メールを確認して必要な作業を考える。
・必要に応じて関係者に情報共有をする。
・事前に打ち合わせの資料を作成する。
などは当たり前ですが、これが出来ていないと仕事になりません。
これらの「当たり前でしょ!」ということを思いつくままに書き出してみましょう。
そして、それができたことを承認していくと、当たり前のことをしている自分を肯定しやすくなり、「今の自分でいいんだ。」という感覚が醸成されていきます。
地味な方法ですが、続けていると効果を実感できると思いますよ。
ミスや失敗のメリットを考える
子供の頃からミスや失敗について悪いイメージを持っているのが通常ですが、良い面もあると思います。
ミスしたことで改善点や自分の課題に気づけたり、周りが助けてくれて人の優しさを感じることもあると思います。
また、新しい仕事や自分がやったことがないことが失敗がつきものです。
失敗しないでうまくいくということは、今までやってきたことをこなしているだけとも言えます。
ですので、今の自分をレベルアップさせ、成長させていくためには失敗は必須になります。
失敗したら、「よし、一歩進んだ!」と思ってもいいと思いますね。
ただ、同じ失敗をくり返すと勿体ないので、それは少しずつでも改善して、仕事の効率を上げたいですね。
感謝日記をつける
日々、感謝日記をつけるのも有効です。
感謝を意識していると、意外と「ありがとう」と思うことは多いものです。
意識を向けるって大事ですね。
忙しくしていると相手のサポートやちょとした気遣いに気が付かなかったり、やって当たり前と思ってしまいがちです。
そうなると、相手の優しさを受け取れないですし、相手のことを責める方向に意識が向いてしまいます。
そうなるとイライラもしやすくなりますし、自分に対しても厳しくなり「これくらいやって当たり前!」という心持になってしまいまいがちです。
結果、自分を責めることになってしまうので、日々の当たり前に感謝するために、感謝できることを書き出してみましょう。
人とのやりとりだけでなく、朝のシャワーが気持ちいい!ことに感謝したり、夕方の風が気持ちいいことに感謝もできます。
感謝が積み重なっていくと自分が生かされている感覚が増して、今の状況に感謝しやすくなるので、オススメです。
~すべき、~してはいけない。という固定観念を緩める
自分を責めたり、自己否定的になる原因のひとつが固定観念です。
固定観念は「~すべき。~してはいけない。」という強い想いですね。
これは日常生活や仕事でたくさんあります。
・遅刻してはいけない。
・納期は守らないといけない。
・上司に言われたことは絶対厳守!
など書き出したらきりがないかもしれません。笑
これらの固定観念は全てが悪い訳ではありません。
生きていくために有効なものも多くあります。
ただ、仕事をする上で悪影響を及ぼすものもあるので、注意したいですね。
「納期は絶対厳守!」という固定観念があると、時間に余裕がなくても、体調が悪くても、納期のために頑張ってしまいます。
昔のわたしはそうでしたね。懐かしいです。笑
強い固定観念は反応的に感情を生み出し、行動を促します。
感情に振り回されないためにも、不要な固定観念はできるだけ減らしたいのですね。
まずは、「~すべき。~すべきだない。」と思うものを紙に書き出してみましょう。
深く考えないで思いついたら書くのがポイントです。
固定観念を発見したら、「本当にそうだろうか?」と自分に質問してみてください。
大抵は過去にそう覚えてしまっただけで、現在では不要なものもたくさんあります。
そこに気付ければ、仕事がもっと楽になり、人生が生きやすくなりますよ。きっと。
リフレーミングを活用する
自分を責めたり自己否定してしまう場合は、リフレーミングを活用すると効果的です。
リフレーミングとは、物事を別の視点から見直すことで、新たな理解や発見を得る手法です。
まず、問題や状況を客観的に捉えることが大切です。
自分の固定観念や先入観を一旦脇に置き、他の視点から見てみましょう。
ミスや失敗も見方を変えれば成長の一歩であったり、自分だけで頑張らないで良いという示唆にもなります。
また、状況への意味付けを変えてみることでイライラしにくくなることも可能です。
例えば、「打ち合わせで資料の不備があり、顧客から指摘を受けた。」としても、それくらいで済むなら資料の精度を上げるより他のことに時間を使うほうが有益と思うかも知れませんし、そもそも仕事が詰まっていてスケジュールに無理があり、仕事のやり方を見直す必要があると気付けるかも知れません。
ちょっとした選択や出来事でも、日々リフレーミングを実践することで、柔軟な思考が養われ、相手や不都合な状況への許容量が向上します。
リフレーミングのトレーニングとしては、いつも「選択肢を3つ考える」ようにしましょう。
いつも選択肢を複数考える癖をつけることで、柔軟に物事に対処しやすくなります。
これらの方法を使って、イライラする状況を減らしていきましょう。
自己否定を見つめる
自分を責めたり自己否定することは、とても不快で嫌な感覚だと思います。
だから、自然と避けたくなるのも納得です。笑
なので、うまく避けていくのも一案で、今まで紹介した内容を試してみることで、うまく付き合っていけることも増えると思います。
他には逆ベクトルになりますが、自己否定して自分を責める嫌な感じを見つめるのも有効です。
嫌なことを避けようとして上手に避けれない場合はストレスが増加するので、どうしても自己否定を見ないように無視してしまいがちです。
自己否定を無視して見ないようにすると、自分ではコントロールできずに予期しない不都合が現象が起きることがあります。
なので、大変な部分もありますが、自分を責めてしまった事象を見つめるのは有効です。
資料作成をミスして自分を責めたのであれば、その時の「やってしまった。ダメだなぁ。」という想いを見つめることで、自己否定が膨らむリスクを軽減できます。
プロジェクトのマネジメントであれば、見ていない工程や作業はコントロールできずに、何が起こるかわからない。みたいなイメージですね。
自己否定を見つめると、なぜその自己否定を想ったのか?という理由が思い浮かぶことがあります。
小学校2年生の宿題を間違えて先生に指摘されて傷ついたことを思い出す。みたいな感じですね。
大人になってからの自己否定は基本的に幼少期の傷ついた経験に原因があることが多いので、今の自分のことではないと切り離せると自己否定も減ってきますよ。
まとめ
ミスや失敗をすると自分を責めたり否定的に感じることが通常だと思います。
しかも、これは出ないように自分でコントロールするのが難しい、、(というか無理?笑)
でも、自己否定とうまく付き合うことはできます。
否定感を減らすことも有効ですし、自己肯定を高めるのもありですね。
自分を責めたり、自己否定してしまうことはどうしようもない、、とならずに、自分でコントロールできる方法を学んで仕事や人生に活かしていきましょう。