ITエンジニアのイライラ改善をサポートしている感情カウンセラーの山田純平です。
仕事をしているとイライラすることがあると思います。
いつもイライラしている人も多いかもしれませんね。笑
でも、好きでイライラしている訳ではなく、勝手にイライラが出てくる。というのが通常だと思います。
私が大阪でシステムエンジニアをしていた時は毎日遅くまで仕事をして、心も身体も疲弊していました。
そうなると、心にも時間にも余裕がなくなってくるので、常にイライラしやすくなるという悪循環でしたね。
イライラすると余計な一言を言ってしまうこともありますし、相手へのコミュニケーションも雑で高圧的になりやすくなります。
そして、いつも自分を責めてしまい、そんな自分が好きになれませんでした。
「でも、どうしていいか分からない。。」
という状況が10年ほど続き、「何とかしたい!」という思いから感情を研究し始めました。
感情は勝手に発生する感じがしますが、発生する原因があって、それを適切に対処すればイライラも減って、感情に振り回されにくくなっていきます。
今回はイライラや感情が発生するメカニズムや感情の性質、原因や対処法をご紹介します。
イライラが発生するメカニズム
イライラなどの感情は気まぐれで発生する訳ではありません。
発生するにはちゃんとした理由やメカニズムがあるんですね。
これを知っておくと、イライラに振り回されにくくなると思います。
1.何かの刺激 → 2.心が反応 → 3.怖れ・不安が発生 → 4.怒り(イライラ)が発生
まず、最初にイライラする何かの刺激があります。
それは相手の一言だったり、都合の悪い状況であることが多いと思います。
例えば、上司から「資料のこの部分が間違っているから修正しといて。」と言われたとします。
この言葉が「刺激」にあたります。
これがトリガーとなって、心が反応します。
どのような反応になるかは状況や相手、自分の疲労や精神状態に影響されるので、ケースバイケースです。
「しまった!資料でミスしてしまった!」と思ったのであれば、ミスを指摘されてヤバい!と感じていることになります。
このような場合は、自分が否定されたり、ダメなことをしたように感じてしまうのが通常で、怖れや不安の感情が出てきます。
その後、自分が否定された感じのままだと心理的なストレスになるので、それが許容量を超えると怒りやイライラの感情が出ます。
心理的に怒りやイライラは第2感情と呼ばれていて、その前に別の感情(怖れ、不安)があるんですね。
このメカニズムを知っていると、相手に原因があると思いにくいのでイライラすることが減ると思います。
感情の性質
感情は謎が多いものですが、いくつかの性質があります。これを知っているとイライラへの対応もしやすくなると思います。
感情は感じないと溜まっていく
この性質を知ったときは「えっ!ずっと溜まってるのかよ!」という衝撃が走りました。
イライラは時間が経てば治まってきますからね。
でも、なくなったわけではなく、心に保存されていてイライラした原因を忘れないようにしてくれています。
個人的には余計な機能のようにも思いますが、仕方がないですね、、
で、溜まったイライラはどう影響するのかというと、イライラした時に膨らみやすくなります。
溜まったイライラが加算されて、大きなイライラになりやすいイメージですね。
ちょっとしたことなのに、すごくキレる人がいますが、イライラを抑圧して無視しているとそうなりやすいです。
イライラしたらちゃんと認識して感じているほうが、長期的にみると有益だと思います。
感情は周りに伝わっていく
イライラしている人の近くにいたら、自分もイライラしてきた経験はないでしょうか。
イライラなどの感情は自分と相手との境目が緩いので、誰かの感情に影響を受けやすくなります。
地震や台風などで多くの人が不安になったら、自分もなんだか不安になってくることはよくあると思います。
これは逆にことも言えて、楽しい人の近くにいたらなんとなく楽しくなってくるものです。
この性質を知ってくと、イライラした人からの余計な悪影響を避けることができるので、オススメです。
行動の原動力なる
ポジティブな感情もネガティブな感情も自分を動かす原動力になります。
楽しいことをしていたら、どんどん楽しくなってもっとやりたい!と思った経験は多くの人にあると思います。
逆に仕事の期限が間に合いそうにない場合などは、「やばい!」という怖れや不安の感情に振り回されて過剰に仕事をして頑張ってしまうことにもなります。
感情はパワフルなんですね。
できるだけ自分が幸せになる方向に感情を活用したいですね。
イライラするメリットどデメリット
デメリット
イライラした状態は多くのデメリットがあります。
人とのコミュニケーションで高圧的になってしまったり、余計な一言を言ってしまった経験は誰にでもあると思います。
相手によっては反発して怒りを返してくる場合もあるので、さらに相手との関係性や状況を悪くしてしまいます。
また、相手からのイライラを受けると、結構ダメージをくらって疲れるので注意ですね。
さらに、イライラをそのままにしておくと、どんどん膨らんでコントロールできなくなってきます。
怒りに振り回されて余計な言動をしてしまうのは良い例ですね。
私もよく振り回されていました。笑
別の観点としてイライラは自分にも悪影響があります。
イライラした状態は決して気持ちの良いものではありませんからね。
それがイライラしている状態がストレスになり、イライラした自分を責めてしまうこともあるので自己否定が積み重なっていきます。
なので、イライラしないだけで、随分と日常の幸福度が上がる気がします。
それほどイライラなどの感情は人生に大きな影響を与えているので、適切にデメリットは認識したいですね。
メリット
イライラにはメリットもあります。
「そんなのある訳ない!」と思うかもしれませんが、個人的には色々とメリットを感じていました。笑
1つは、相手をコントロールしやすいことです。
イライラして相手に不快感を与えたり、高圧的な態度になると、周りは関わりたがらないですからね。
不快な想いをするくらいなら、相手の意見を受け入れて、過剰に関わらないようにすることはよくあると思います。
2つめは、余計な仕事が振られないことです。
これは結構助かっていました。笑
当時は毎日、遅くまで仕事をしていて、休日も働いていたので、自分の仕事が増えないことは重要でした。
自分でこのメリットを理解していたわけではないですが、感覚的にメリットを得ていたわけです。
イライラのメリットを考えてみると、改善する箇所も明確になるので、一度考えてみてくださいね。
イライラする原因
責任感が強い
責任感が強い人は自分に与えられた責任や仕事の役割、義務を全うしないといけない!と思いがちです。
それが当たり前だから疑問にも思っていないかもしれませんね。
真面目な人柄がデメリットになる感じですね。
だから、それを邪魔する人や不都合な状況になるとイライラしやすくなります。
また、イライラを抑圧して冷静を保とうとする傾向もあり、結果的にイライラしやすくなることもあります。
完璧主義
仕事で完璧を求めてしまうと、毎日が辛いものになっていきます。
ミスなく!失敗なく!上司や顧客の要望通りに毎回こなすのは無理ですからね、、
でも、つい高得点を求めてしまうのかもしれません。
それに慣れていると、それが普通になりますからね。
また、自分だけでなく他人に対しても非常に厳しい要求をしがちです。
他人に対しても同じ高い基準を求め、それを満たさない場合にはイライラしたり、批判的になることがあります。
自分が正しいと想いたい
相手と「勝ち負け」や「上か下か?」、「どちらが正しいか間違っている?」を気にしてしまうことってありますよね。
どっちが正しいか?という発想は特に出やすいかもしれません。
これは「どちらかが正しくて、もう一方が間違っている。」という構造になります。
そして、自分が間違っている側になると腹が立ったり、イライラしてしまいます。
ただ、物事には色々な視点があるので、絶対正しい!ということは少ないと思います。
相手と対立しやすい「どっちが正しい?」という発想が出たら注意ですね。
ミスや失敗をダメとしている
ミスや失敗を気にする人は過去の失敗にこだわってしまい、それを引きずってしまう傾向があります。
過去の失敗を忘れられず、自分を責めることも多いでしょう。
また、否定的な思考パターンになりやすく、 自分の失敗や欠点に焦点を当ててしまい、ポジティブな側面を見ることが難しくなります。
それが嫌でリスクを避けて安全な選択をする傾向になりがちですね。
自分の安心・安全が阻害されると感じるとイライラしやすくなります。
ネガテイブな感情の蓄積
怖れや不安は感じたくないし、無い方がいいですね。
なので、無意識に無視してしまいがちになります。
ただ、日々の不安や怖れ、怒りを抑圧していると、それが反応して、逆にイライラしやすくなります。
感情は感じないと溜まっていく性質があるため、抑圧は逆効果になってしまうのでご注意ください。
インナーチャイルドの蓄積
子供時代や過去に傷ついた経験がある場合、同じような状況になると過去の経験が反応して、イライラが発生することがあります。
幼少期の傷ついた経験はインナーチャイルドと言われており、誰にでも存在するものとされています。
激しいDVを受けなくとも、夕方まで楽しく遊んでいたら親から注意された。くらいでも、自分が少しでも傷つけばインナーチャイルドとして心に蓄積していきます。
そして、これは成人になるまで溜まっていくとされています。
親や先生、友達の一言でちょっと傷ついた経験なんて山程あると思います。
なので、否定的な言動をされると怖くなったり、自分を防御しようとして怒りやイライラが出るのが通常です。
イライラの対処法
頑張りすぎない
義務感や責任感が強い人はつい頑張りすぎてしまいます。
自分に与えられた責任を全うすることが優先になってしまうんですね。
それは周りにとって嬉しいことかもしれませんが、自分自身を疲弊させてしまいます。
心身が疲弊すると心に余裕がなくなってくるので、イライラしやすくなります。
そうなりやすい人は最低限の仕事範囲を考えてみるのがオススメです。
いつも頑張って必要以上に仕事をしているので、ちょっとハードルを下げる感じですね。
個人的には100点中、60点~70点くらいの感覚でいいと思います。
そのレベルだと随分と怠けているダメ人間のように感じるかもしれませんが、実際には問題ないことも多いと思います。
少しずつで大丈夫ですので、基準となるレベルを下げていきましょう。
続けていると、徐々に程よい仕事の範囲が分かってくると思いますよ。
完璧主義を手放す
完璧主義を緩めるには、自分自身の長所も短所も受け入れることが有効です。
完璧ではない自分にOKを出すことで、頑張りすぎをコントロールしやすくなります。
誰であっても良い部分ばかりという人はいないでしょうからね。
人と接することが得意な人は一人でコツコツ資料を作る作業が苦手なことも多いと思います。
人には向き不向きがあるのが通常ですからね。
でも、無意識的に全てができる人になろうと頑張ってしまいがちです。
私も完璧を目指していた時期がありましたが、やればやるほど自分のダメな部分を知ることになりました。笑
なので、今ここにいる自分自身を少しずつ受け入れていきましょう。
良いも悪いも含めて、自分が好きになっていくと思いますよ。
正しさを手放す
誰でも自分なりの意見や考えがあります。
でも、その意見が今の状況では妥当でなかったり、仕事をする上でずれていることを指摘されると、逆に「自分が正しい。」と思いたくなります。
自分も人間なので間違ってしまうこともあったり、部下の意見のほうが良いこともあるでしょう。
ただ、相手と意見が違うと「どちらが正しいか?」という発想になりやすいと思います。
とはいえ、絶対に正しいということは意外と少なく、今までの自分の経験上「正しい」としていることも多いものです。
でも、環境や立場が変われば求めるものも違ってくるので、何を正しいとするかという定義も変わってくるのが通常です。
自分目線だけでは判断できないことも多いですよね。
なので、自分が正しいことを証明したいという発想が出てきたら、「相手の意図は何だろう?相手は何を正しいとしているのだろう?」と考えてみると、相手目線を理解しやすくなります。
職場でも、前の上司では正しいとされていたことが、別の上司に変わったら通用しないこともあると思います。
正しさの人それぞれのなので、相手の正しさも尊重しつつ、調和したコミュニケーションをしていきましょう。
ミスや失敗のメリットを考える
ミスや失敗をすると自分がダメなことをした感じがして、否定的になることがあります。
誰でもミスや失敗はしたくないですからね。
でも、新しい仕事や人付き合いをする場合、うまくいかないことがあるのが通常です。
初めてのことでも全部完璧にできます!という人はほぼいないと思います。
一般的には失敗して成長していくものなので、ミスや失敗をしないということは成長していないという見方もできますね。
同じ失敗を何度も繰り返すのは学んでいないことになりますが、未経験のことは失敗してなんぼ!です。
ミスや失敗に対するネガティブな発想を切り替えて、自分を成長させていくために必要な工程として受け入れていきたいですね。
イライラを感じる
感情は感じないと溜まっていきます。困った性質ですね、、笑
だから、イライラを抑圧しているとイライラが激しくなったり、自分でもびっくりするくらいキレてしまうこともあります。
逆に言えば、感じることで解消されていくとも言えます。
とはいえ、イライラなどの感情は感じたくないものです。
一般的に子供の頃から感情を感じることは慣れていないので、少しずつトレーニングするのがオススメです。
トレーニングをしたらその分だけイライラに対する耐性が上がり、感情に振り回されにくくなります。
イライラに対する筋力がアップするイメージですね。
方法は以下の動画でも紹介していますので、ご覧いただければと思います。
インナーチャイルドを見つめる
子供の頃にイライラして怒られたり注意された経験は誰にでもあると思います。
小さなときは素直に自分の感情を表現しますからね。
ただ、周りからしたら不快だったり、対応が面倒だったり、迷惑を考えてい「イライラ=悪いこと」と教育されます。
その経験が心の傷として潜在意識に残りますが、これはインナーチャイルドと呼ばれています。
インナーチャイルドは1度傷ついたらずっと潜在意識に残り続ける性質があります。ほんとに困ったものです。
このインナーチャイルドの蓄積は18歳か20歳頃まで続き、それが大人になっても影響を与えます。
具体的にはイライラしたら怒られて傷つくからイライラしないように我慢しよう、とか怒られないように生きようという発想になります。
自分がやりたいことや幸せになることよりも、傷つかないことが無意識的に優先されてしまうんですね。
このメカニズムを知らないと、無難に生きていく人生になっていきます。
今の自分の判断や選択、思考パターンは子供の頃のインナーチャイルドが原因で出来ているといっても過言ではありません。
なので、自己否定的な発想や無難な発想が出たときには、どんなインナーチャイルドがあるんだろう?と意識を向けてみてください。
「失敗するのが怖いのではなく、怒られたくないだけか。」と気づければ、失敗に対するネガティブな発想は減っていき、「失敗する可能性はあるけど、ちょっとチャレンジしてみよう。」という心持ちになりやすいイメージです。
さらに子供の頃の傷ついた経験を振り返ってクリアリングしていけば、ネガティブな思考や発想がもっと減っていき、ポジティブな発想で人生を生きやすくなります。
ネガティブな思考が強い人も改善の余地はまだまだたくさんあるので、人生をより幸せなものにしていきましょう。
メールマガジンではインナーチャイルドについても配信していますので、ご興味のある方はご購読いただけると嬉しいです。
イライラがなくなった先にある未来
日々のイライラがなくなったらどんな未来になっているでしょう。想像がつかないかもしれないですね。
個人的にはイライラが当たり前だったシステムエンジニアの頃からコツコツ改善をけて今がありますが、今では日常的な幸福感が随分と高くなりました。
特に何もしなくても、なんとなく毎日幸せ。という感じです。
日々の幸福感が増してくると、自分の人生をポジティブに考えやすくなります。
「人生をどう楽しもう。」とか「やりたいことをやってみよう。」という発想に変わっていく感じです。
日々、イライラしている状態だと、楽しいことを考える発想になりにくいですからね。
イライラしなくなると毎日の幸福感が高くなるので、人生を楽しむ発送になりやすく、自分の人生を自分で創っていく感覚が増していくと思いますね。
そうなると、人生が満たされたものになり充実してきます。
自分の幸せを基準に人生を考えるようになり、仕事とも適切な距離をとれるようになってくるので、ストレスも減っていきます。
こうなってからが、本当の人生といえるのかもしれません。
仕事や人生は辛く大変な感じがすることもありますが、自分の幸せを大切にしていきたいですね。